益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

季節の変調

休み明け。まことに眠たい月曜日であった。
よく眼が覚めたものである。
暫く休んでいた「新作ファイル」も再開した。
既に夏の季語を使うのも憚られる今年の気候だ。
暦通りに初秋の季語を使用した。
十年ぶりの「冷夏」は
否応なしに俳句実作にも大きな影響を及ぼしている。
一時的な?季節の変調を的確に捉えるのも
俳人の仕事である。

「涼しいと言うより寒かった。」
「泳ぎに行く気がしなかった。」
「冷房代が助かった。」
久しぶりに顔を合わせた同僚はいろいろなことを言っていた。
「・・・それでも株が上がって良かったね。」と
私は言ったのだが・・・。

 新秋やおのが身内(みぬち)の水の音  田畑益弘