益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

怖くて飛行機にも乗れない男

連日、35℃前後の厳しい残暑が続いている。
以前にも書いたが夏期休暇の後から
思い出したように真夏がやってきたような感じである。
異常な夏を象徴するかのように
我が家のある双ヶ丘では、
蜩と油蝉と法師蝉が入り乱れて鳴き競っている。

さて、六カ国協議が迫ってきた。
期待せず余裕をもって臨むべきである。
この協議を受け入れたこと自体
北鮮の逼迫した内情を端的に物語っている。
・米国の先制空爆への恐怖
・切迫する経済的破局
つまり金正日に時間的猶予はないのである。

我々の原則は明らかである。

・核の完全放棄、断念
拉致問題の解決と国内の民主化
この二点を
北鮮がクリアすることが大前提ということ。
この前提が満たされない限り、我々は北鮮に
米一粒たりとも与えることはないということ。

米国も「悪に報酬を与えない」
という原則を堅持している。
協議の決裂を最も恐れているのは
金正日に他ならないのである。
思ってもみよ、
怖くて飛行機にも乗れない男にできることなど
たかが知れているのである。


 秋暑き明日が賞味期限なる  田畑益弘