一生、酒とつき合うために・・・
母が逝った日も父が逝った日も
酒を飲んでいた。
右足首を捻挫した時も
左肘を骨折した時も奥歯を二本抜いた時も
いつものように酒を飲んでいた。
昨夜の日記に書いたように
酒を飲まなかった日を思い出そうとしても
思い出せない。
思い出せない筈なのだ。
一日も欠かしたことがなかったのだから。
その酒を断つことにした。
日記を読んだ彼女が昨夜
「心配」して電話してきた。
「どうかしたの?何かあったの?」と。
どうもしない、何があった訳でもない。
自分一人で決断したことだ。
数年前にやはりアルコール性肝炎になり
医者に断酒を言われた時も私は止めなかった。
人の言うことは聞かない性格である。
結局、私のことはいつも私が一人で決めるのである。
私が今、断酒するのは
一生、酒とつき合いたいからである。
そのためには、今、我慢するしかないと判断した。
それだけである。
月正視おのれを恃むほかあらず 田畑益弘