益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

蝌蚪に手が出て・・・

「核凍結」の口約束で
我々と取引しよう、我々の支援を引き出そうと企んでいた
北鮮が、「核全面放棄の約束の用意」があると中国に伝えたと言う。
そして、「核凍結」は「その前提の第一段階」なのだそうだ。

騙されてはならない。なぜなら
結局、北鮮が「核凍結」の口約束のみで
我々の支援を引き出そうとしていることに
何ら変わりはないからである。
中国の必死の調整努力には心より敬意を表するが
北鮮の口約束を鵜呑みにするほど
我々は甘くはないのである。

先日、パキスタンのカーン博士の証言によって
北鮮が核開発において、
我々に対し
二重三重の嘘をついていることが明々白々となった。
北鮮の言葉は信ずるに値しない、ということである。
中国は今尚、こんな北鮮の口約束を担保するつもりなのであろうか?

北鮮が最も怖れているのは六カ国協議の決裂である。
米国との直接対話の場を失うことは
かの国にとって死に等しいからだ。
私は六カ国協議を潰そうとは思わない。
成果が得られるに越したことはないと考えている。
しかし、
これまで幾度も約定を一方的に反故にしてきた北鮮を
簡単に信用するわけには行かないであろう。
「検証可能で不可逆な核完全放棄」の即時誓約がない限り
「決裂」もやむをえないものと私は考えている。

「検証可能で不可逆な核完全放棄」は我々の最低限の要求である。
民主化・人民の解放は、その後のプロセスになるであろう。

 蝌蚪に手が出てもう魚にはなれぬ  田畑益弘