益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

森政権の責務

金大中韓国大統領がノーベル平和賞受賞とのこと。
ノーベル賞がナンボのものか知らないが、
この時期にこの人にこの賞、というのは
意味深い選考である。まことに喜ばしいことだ。
韓半島の平和実現は既に世界が認知したプログラムである。
オルブライト国務長官につづきクリントン大統領が
訪朝する予定だそうだ。

二十世紀がもうすぐ終る。
クリントン政権も同じく終る。
しかし地上最強の権力者のやり残した仕事にこの際注目したい。
とりわけ中東和平交渉は忘れてはならない最重要課題だ。
日本にとってはいつも距離の遠い話だが
世界の政治経済は、目下この問題を中心に動いている。
南北朝鮮問題とともに
二十世紀の悲しき積み残しだ。
政権末期のクリントン大統領に
せめて国際世論の加勢を。
現実を見るとまことに虚しいが、我々にはそれしかない。

日本の国会は野党のサボタージュで話にもならない。
せめて与党は目白押しの重要法案を
粛々と審議、採決し早期成立を図るべきであろう。
それが新世紀を迎える森政権の責務である。

 渡り鳥みるみるわれの小さくなり  上田五千石