晩秋
野党は結局出てこなかった。
議長斡旋案についての代表者会議を
彼らは時間稼ぎのためにボイコットした。
斎藤議長は辞任した。
野党の審議拒否に続く「登校拒否」は
遂に議長辞任という、
誠に恥ずかしく、気の毒な事態を招いてしまった。
もはやこんな野党は選良でもなんでもない。
議会制民主主義を妨害し陵辱する売国奴集団である。
完全に無視して差し支えなかろう。
重要法案は山積している。
まもなく二十一世紀である。
「日本新生」への準備を急がねばならない。
繰り返す、重要法案は山積している。
幼稚な者どもと遊んでいる猶予はないのである。
与党は全ての法案について粛々と成立を図らねばならない。
野党各党は議会政治家たることを自ら放棄した。
もはや彼らに国政を論じ、参画する資格は無い。
幼児らしく指を咥えておとなしく見ているべきだ。
せめてそれが、
「コワモテの屈折したオヤジ」「いつもヤルッキャない皺くちゃ」
「不倫のぼんぼん」「日和見のコミュニスト」たちに残された、
新世紀日本への貢献の仕方である。
肌寒い一日。
東京では早くも木枯し一号が吹いたそうだ。
まさに晩秋。二十世紀も駆け足で暮れてゆく。
晩秋や毛虫のたぐひ繭ごもり 篠田悌二郎