明日から十二月。
早いものである。今世紀も後ひと月である。
コンピュータ二千年問題で騒がしかった、
お正月が、つい先日のようだ。
歳をとればとるほど
年月の経過を早く感じるというが、
その通りだなと思う。
なぜだろう?
新しい経験がなくなるからか?
己れの人生がほとんど見えてくるからか?
私も平均寿命の折り返し点をとうに過ぎた。
一日ひと日をいとおしみつつ生きねば、としみじみ思う。
今日の一句は
中村草田男の余りにも高名な句を掲げることにする。
寒い冬が当たり前の昔、
暖かかった十一月を愛措した名句を味わって頂きたい。
あたゝかき十一月もすみにけり 中村草田男