益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

初夏

「きょうのイチロー」が楽しみである。
きょうもヒットを打った、とニュースで聞くだけで
安心する、ぐっすり眠れる。
大魔神が締めてマリナーズが勝ったら
更に言うことなし。夢見が良くなる、というものだ。
これほどメジャーリーグのことが気になるのは
初めてのことだ。ハマッテしまったと言って良い。
それに反比例するかのように
日本のプロ野球への興味は急速にしぼんでしまった。
私はもうアンチ巨人でも何でもない。
どこが勝とうが負けようが
どうでも良くなってしまったからだ。
ナイター中継も全く見なくなった。
強いて言えば
野村阪神が最下位になるかどうか?という
ほとんどサディスティックな興味があるくらいだ。
私と似たような気分の人は多いと思う。
日本野球の前途は限りなく暗い。

爽やかな初夏の空。
父の急死さえなければ
私の心も晴れ晴れしかったのに、と
悔やまれてならない。

 初夏の乳房の筋の青さかな  野村喜舟