益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

明日から再び

床屋に行く。
つい先日行ったばかりなのだが、
スカッとして気分を一新したくなったのだ。
床屋もいつもの店はやめて、新装開店した所にした。
父へのお悔やみや思い出話に返事するのが億劫だからだ。
訊いてくる方は初めてでも
応える私は同じことを既に何百回と話している。
これが結構疲れるのである。
もとより楽しい話ではないのだから・・・。
明日は二週間ぶりに出勤する。
会社でも大勢の「同じ言葉」が待っている。
そして、会社では億劫がってもいられない。
私も「同じ言葉」を用意して臨まねばならないのだ。
「人一人死ぬ」とは誠に大変なことであると
今更ながらに感じ入る次第だ。

今日も真夏日
すっかり、夏本番のこのごろだが
明日からは雲の多い空模様だと云う。
梅雨も間近か。
床屋の帰りに紫陽花を一鉢買ってきた。

 紫陽花やきのふの誠けふの嘘  正岡子規