益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

猫語が解る?

今朝、会社に行く時刻になっても
ナルが帰って来ない。
縄張りをいつものように散歩して
よほど興味をひかれることでもあったのだろう。
いつもは出勤の時刻前に必ず帰ってくるボス猫である。
仕方がないので私が帰宅するまで締め出すことにした。
こういうことはこれからも幾度かある筈だ。
父の亡き生活に猫たちにも慣れてもらわねば困る。

さて夕刻、ナルはしっかりと軒下で雨宿りをしつつ
私を待っていた。
ニャーニャーと鳴き喚くことしきり。
多分、締め出されたことを抗議しているのだ。
長年つき合っていると、「猫語」が少しは解るのである。
「オマエが悪いんだよ!」と私が詰ると
ナルは小さくニャーと鳴いた。
何と返事したのかな?

 梅雨めくや人に真青き旅路あり  相馬遷子