益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

暑中御見舞い申し上げます

今年の夏はまさに灼熱地獄である。
猛暑とか酷暑という言葉も聞き飽きて
既に色褪せてしまった感がある。
昨日のように熱中症で死者が相次ぐのだから
これはもう地獄と呼ぶべきだろう。
七年前の、祖母が逝ってしまった夏を思い出す。
1994年。この年の夏も恐ろしく暑かった。
その暑さの中で、
それまで病気知らずだった祖母が
体調を崩して伏せってしまい
そのまま帰らぬ人となってしまったのである。
享年九十一の大往生ではあったが、その夏の
異常な暑さが死期を早めたことは確かである。

どうか皆様、くれぐれも御身体には御注意下さい。
短歌・俳句を愛して立ち寄って下さる、
数少ない御高齢の方には特に御自愛願いたいものだ。
まことに僭越な物言いで申し訳ないけれど・・。

 極暑なりくちびる赤きまゝ逝きし  澤木欣一