彼女と逢う。
待ち合わせはいつも四条河原町なので
すぐ高島屋に入る。
お目当てはもちろん
白川義員氏撮影の「世界百名山」写真展。
果たして山好きの彼女は予想通り
ただただ陶然と溜息をつくばかり。
こんな山の頂上に立てたら死んでもいい、とまで言う。
その気持ち、俗人の私には理解し難い。
いつか一緒に登ろうね?と彼女。
比叡山だって無理だよ‥と私。
・・・ああ、私たちはなんと不釣合いなカップルなのか!
昼飯は「舞坂」で冷酒を飲み鰻を食べた。
神々しい山岳写真の前で
畏まっていた私だが
酒さえ入ればすぐにマイペースである。
舌も滑らかに、
積る話を一気にまくし立てていたのだった。
冷し酒つひには死者も謗らるる 能村登四郎