益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

ウンザリのつづき

「省員の意識が弛緩していて、私の方が疲れる。
悔しいから良くしようという気迫が誰からも感じられない。」

相次ぐ外務省不祥事への田中外相の発言である。
こんな発言をした外相はこれまで一人としていなかった。
この一言だけでも田中真紀子
外務大臣にした値打ちは充分にあると言える。
私は当初、真紀子さんの外相起用に疑問を持っていたが
最近は「小泉改革」の最初の成果とまで思うようになった。
抵抗勢力即ち官僚が自滅して、
彼女の株を上げてしまったとも言える。
とにかく、これまでの誰よりも田中外相が
ベターであることは確かなようだ。
外交そのものの手腕も
猛勉強の成果を近頃は感じさせる。
一方、事務方のトップの野上さんには失望した。
政治的妥協で生れた御方だから仕方ないが
やっぱり、駐米大使になられた御方が
事務次官として適任だったことが歴然としてしまった。
この期に及んでも
まだ身内の外務官僚の利益を代弁して
田中外相に抵抗している。
そのふて腐れよう、国民の眼には
余りにもみっともなく見えるのだ。

 秋の蝉鐘にあたりて墜ちにけり  中川宋淵