ウンザリのつづき
「省員の意識が弛緩していて、私の方が疲れる。
悔しいから良くしようという気迫が誰からも感じられない。」
相次ぐ外務省不祥事への田中外相の発言である。
こんな発言をした外相はこれまで一人としていなかった。
この一言だけでも田中真紀子を
外務大臣にした値打ちは充分にあると言える。
私は当初、真紀子さんの外相起用に疑問を持っていたが
最近は「小泉改革」の最初の成果とまで思うようになった。
抵抗勢力即ち官僚が自滅して、
彼女の株を上げてしまったとも言える。
とにかく、これまでの誰よりも田中外相が
ベターであることは確かなようだ。
外交そのものの手腕も
猛勉強の成果を近頃は感じさせる。
一方、事務方のトップの野上さんには失望した。
政治的妥協で生れた御方だから仕方ないが
やっぱり、駐米大使になられた御方が
事務次官として適任だったことが歴然としてしまった。
この期に及んでも
まだ身内の外務官僚の利益を代弁して
田中外相に抵抗している。
そのふて腐れよう、国民の眼には
余りにもみっともなく見えるのだ。
秋の蝉鐘にあたりて墜ちにけり 中川宋淵