益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

もしも・・・

もしも炭疽菌テロが日本にも及んだら?と想像してみる。
そして米国のように犠牲者が出たら・・・と。
抗生物質やワクチンが大量に備蓄され
救護体制が万全になっていたとしても
我々の心は鍛えようが無い。
日本社会が米国以上のパニックに陥るであろうことは
容易に推察できる。
オウム真理教の事件の経験以外には
我々はテロに対して余りにも初心である。
またムードひとつで右往左往する「一億人」である。
日本社会はどうなるだろうか?
日本人はどうするだろうか?
と、考えると慄然としてしまうほどだ。
狂牛病は牛肉を食べなければいいことだが、
テロはそうはいかないのだ。
ハードの備えは当然だが、
我々の心の備えも同じくらいに大切である。
冗談抜きでイメージトレーニング程度はしておくべきである。
誰しも悪夢は見たくない。
しかし、これは夢ではないのである。

 底がぬけた柄杓で水を呑まうとした  尾崎放哉