益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

失望売り

株価がまた一万円台を割り込んだ。
銀行株が売られた。
日米首脳会談への失望売りである。
会談は日米首脳の「蜜月」を演出するばかりで
不良債権問題に何ら具体的展望を示し得なかった。
市場の苛立ちは極限に来ている。
それは米国の苛立ちでもある。
もはや「決意」は聞き飽きた。
誰もが「実行」と「成果」を待ち望んでいるのである。
国民の苛立ちも根は同じことだと思われる。
威勢の良い言葉はもういいのだ。
国民は改革の痛みは甘受する覚悟なのだ。
しかし今、国民を苦しめているのはデフレなのだ。
小泉改革のテンポが余りにも遅い、遅すぎる。

終日、雪のちらつく厳しい寒さ。
わが家の三匹の猫たちも実に大人しくしている。

 春寒に入れり迷路に又入れり  相生垣瓜人