益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

極暑の中で

こうも毎日、致死的暑さが続くと
心も身体もへこたれてしまって
ものごとを建設的に考える気が失せてしまう。
冷房に入っていたい、冷たい酒を飲みたいなどという
ほとんど生理的欲求の前に
まさに「愛も平和もあらしまへん・・・。」といった
「思考停止」状態である。

だがこの酷暑の季に、われわれ日本人は
原爆忌そして終戦忌という、
非常に重たいメモリアルデイを迎えるのである。
「思考停止」状態ではいけない。
考えるとは脳に汗をかかせることだ。

日本経済のこと
中東の殺し合いのこと
地球温暖化のこと
・・・・・
脳をぎりぎりまで搾らねばならぬ事は多々ある。
この極暑の中で
必死に搾り出す考えこそ
われわれ日本人の「骨肉の論理」なのかも知れない。

 平和の礎(いしじ)灼かれて女子供の名  岡崎たかね