益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

生還

正直言って涙なしでは見られなかった。
拉致被害者」の生還である。
親子が、兄弟姉妹が、
対面するという、ごく当たり前のことが
どうしてこんなにも大変で感動的であるのか。
北朝鮮の国家犯罪への憤りが
改めて沸き起こってくるばかりだ。
しかし、冷静になろう。
これでも小泉訪朝がもたらした、
大いなる前進に違いないのであるから。

北朝鮮が自ら変革を志向していることは
もはや明らかなことであろう。
我々は、北朝鮮が今後も
拉致事件」の原状回復への誠実な対応を続けることを
心より望んでいる。
言い換えれば
北朝鮮はわが国が経済協力しやすくなるように
行動すべきだと言うことなのだ。
北朝鮮はまさに今、
国際社会への入口に立たされていると言えるだろう。

 秋の夜の憤ろしき何々ぞ  石田波郷