益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

貧困の象徴=万景峰号

きょうも残暑厳しい一日。
しかし、今夜
我が家のある双ヶ丘で秋の虫が鳴き出した。
こおろぎだと思う。
まだ若く勢いのある清々しい声である。
蝉の方は、蜩が消え
油蝉が衰え、法師蝉が既に優勢である。
変調の今夏であるが、
昆虫の消長は季節の移ろいを確かに伝えてはいる。

さて、新潟に入港した北鮮の万景峰号
やはり、国際基準に合格する代物ではなかったようだ。
国土交通省の当たり前の検査でも不備が発覚した。
精一杯やってきて、その程度なのであろう。
北鮮の貧しさと卑しさがよく分かるというものだ。
こういうのを「貧すれば鈍す」と言うのである。
繕っても繕いきれない、
金正日体制の没落を象徴しているようである。

 亀売れず亀を叱りて亀売りは  田畑益弘