益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

パーマをかけながら思った

先日、約二十年ぶりにパーマをかけていて感じたことがある。
何事も日々変化してゆく今日、何一つ変らないことがあるものだということ。
熱い、長い、臭いという、この「パーマ」という技術。
頭のてっぺんが焦げているような熱さ、
たっぷり二時間はかかる手順、
あの薬剤の独特の臭い。
昔となーんも変っていないではないか!
これは驚愕すべきことだと思うのだ。

日進月歩の世の中である。
町並みも風俗も電化製品も、
一年も経てばかなり変っているものだ。
何一つ変化しないもの、進歩しないことを見つける方が難しいくらいだ。

熱さが緩和されているかな?
時間が短縮されているかな?
例の薬剤の臭いが少しはマシになっているかな?
・・私はきっと何かが変っているだろうと思っていた。
昔となーんも変っていないではないか!

これはひょっとしたら偉大なことかも知れないなと、思えてくる。
栄枯盛衰、諸行無常、有為転変、生生流転、無常迅速を嘲笑う、
まさに”PERMANENT!”ではないかと・・。

 百日紅無常迅速友はふる  山崎三猿